大覚寺だより vol.1

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大覚寺だより 令和7年7月

第3代目となる、大覚寺の新たなホームページをよくご覧くださいました!
諸行無常という言葉はまさにこのITの世界のための言葉、というように感じます。ここ数年でも、AIへのアクセスが容易になり、大きな変革を感じています。私事、仕事柄海外の論文を読むことも多いのですが、AIの手助けを受けることでかなりハードルがさがりました。ホームページの方も、そうした技術革新を活かしていきたいと思っております。

これだけ技術が進めば進むほど、確かに私たちの生活は便利になりました。されど、私たちの心は豊かになっているでしょうか。私たちの迷いや悩みは解決されたでしょうか。
残念ながら、そんなことはないと思います。いや、むしろそうした悩みが増大しているかのように思います。色々なことが可視化されて、知らなくて済んでいたことを知ってしまう世界です。そして、煩悩を抱えている私たちは、何かと比べてしまうのです。

先月、日本の最西端にある与那国島を旅行してきました。色々な情報を仕入れて現地に乗り込みました。夜にお邪魔したスナックのママさんに、何か情報の漏れがあってはいけないと思い、「与那国島はどこがおすすめですか?」と質問したところ、「住んでいるものにとっては、良いも悪いもないわよ」との返答を受け、はっ、としました。
せっかく来たのだから、あらゆるものは新鮮であるわけで、楽しい!、と思って過ごせばよいものを、少しでもよいものを、と思う損得勘定をばっちり備えた我が身であることに気付かされました。

知ることが増えれば増えるほど、比べるものも増えてしまう。
この現代こそ、ますます仏様の教えが不可欠であるように痛感しております。

私自身の気づきを、拙い言葉ながら定期的に発信してまいりたいと思いますので、是非ご覧ください。

第十九世 釈雄気

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